導入のきっかけ:静かに、でも確かに感じた「今ならいけるかも」転職活動をきっかけで始めた、A4ノートを使った1日の計画、振り返りが順調に進み始めたことで、少しずつ自信がついてきた。
次のステップとして、「もっと行動の質を上げたい」「思考を整理したい」と思うようになった。
そんなとき、ふと目に留まったのが、以前挫折したまま本棚の奥に眠っていた『0秒思考』。
手に取った瞬間、不思議とわかった。これは今の自分にこそ必要なものだと。
著者は、元マッキンゼーの赤羽雄二さん。
「考える前に書く」ことで、頭の中のもやもやを一気に言語化するメソッドだという。
A4の紙に1枚1テーマ。左上にタイトルを書き、1分で思いつくことをザーッと書き出す。
箇条書きでも、文章でもいい。とにかく1分間、手を止めずに書き続ける。
1日10枚、それを続けることで、思考が驚くほどクリアになるという。
「今の自分なら、続けられるかもしれない」
そんな静かな期待感とともに、再チャレンジが始まった。
1日目:ペンを持ったとたん、言葉があふれて止まらなかった
出社30分前の朝。
手帳で1日の予定をざっと確認し、いよいよ「0秒思考」の1枚目に挑んだ。
テーマは決めていた。
『0秒思考をやろうとする理由』
書き出すと、思いのほかスラスラと言葉が出てきた。
- 継続できれば、自信になる
- 不安を整理したい
- 問題解決力を育てたい
- 周囲に「できる人」と思われたい
- 転職のアピールにもなるかもしれない
「言語化って、こんなにも自分を動かすものなんだ」
そう思わせてくれる1枚だった。
2枚目は、『どうすれば継続できるか?』
- 時間と場所を決める
- よく寝る=残業を減らす
- 誰かに共有して、やめづらくする
- 記録をつける
「どこかの本で見たような内容」だけど、自分の言葉で書いたという実感が、これまでとはまったく違っていた。
1枚目で未来を描き、2枚目で過去に区切りをつけた。
初日を終えた時、胸に残っていたのは小さな達成感と、自分へのほんの少しの肯定感だった。
2日目:ずっと目を背けてきた「自分の欠点」と向き合う朝
この日は、「ずっと直らない欠点」と正面から向き合うことにした。
テーマは、
『自分はなぜミスをするのか?』
学生時代からずっと付き合ってきた“うっかりミス”。
何度も改善を試みてきたけど、完全には抜けきらない。
ずっと、自分の自信の根っこを削ってきた存在だった。
書き出した言葉は、どれも知っているものだった。
- 作業後の見直し不足
- 作業前の確認不足
- チェックリストの不在
- 作業中断後に忘れてしまう
過去に何度も考えたし、何度も失敗してきた内容。
だけど今回は、紙に書き出したことで頭の中の霧が少し晴れた。
「忘れないうちに、小さなことから始めよう」
心の中に、そんな前向きな声が生まれた。
自分の奥底にあった感情が浮かび上がってきた:3つの深堀テーマ
テーマ①:なぜ、急に頭に血が上るのか?
長年抱えてきた悩みだった。指摘されると、つい感情的になる。
理性的な自分が追いつかず、怒りをぶつけてしまう。
- 自己防衛でしかなかった
- 相手にぶつけることで、自分をごまかしていた
- 感情を抑える力が育っていなかった
- 日常的に苛立ちをため込んでいた
「自分、未熟だな……」
情けなさと、変わりたいという気持ちが混ざった。
でも、この感情を“書いて外に出せた”ことで、少しだけ落ち着けた気がした。
テーマ②:残業せずに帰るには?
一番の不満だった“長時間労働”。
だけど、書き出してみて出てきた本音は、もっとややこしいものだった。
「残業がないと、困る」
そう。収入を、残業に頼っていた。
30万円を超えることもある残業代。家計的には助かる。
だけど、心と体は限界だった。
「このままじゃ、未来がない」
そう思い、ようやく「働き方を本気で変える」と決めた。
- 1日の作業を詰めすぎない
- 必ずやる作業(Must①)を決める
- イレギュラー前提の余白をもつ
- 上司の依頼は“内容を詰めて”から受ける
理想と現実。その間に橋をかける覚悟を持った瞬間だった。
テーマ③:うまくいった日/いかなかった日
うまくいった日には、共通点があった。
- 朝の計画ができていた
- Must①の設定があった
- 優先順位が明確だった
- 達成感を得られた
逆に、うまくいかなかった日は、
- 詰め込みすぎ
- 持ち越しタスクの山
- 電話や突発対応で乱される
- 作業時間の見積もりミス
違いは明確だった。
だからこそ出てきた改善策はこうだ。
- タスクの洗い出し
- 所要時間の見積もり
- 難しい作業こそ0秒思考で整理
そうやって、自分の1日を**“見える化”**していくことが、確実に前進につながっている。
おわりに:変わろうとしている自分を、ちゃんと見ていたい
誰かに言われたわけじゃない。
自分の中から出てきた言葉だから、ちゃんと刺さった。
失敗も、葛藤も、未熟さも、すべてノートに書いた。
その1枚1枚が、自分の輪郭をくっきりと描き出してくれた気がする。
0秒思考を通して、自分を少しだけ信じられるようになった。
そして、こうしてブログという形で発信しようと思えている自分が、ちょっと誇らしい。
書いたことが、自分を動かす。
この感覚を、これからも大切にしていきたい。
次回予告:「“やりたいこと”を見つけるために、私が最初にやったこと」
去年、職場で出会った“放置された新入社員”の姿が、私の心に火をつけました。
人の成長に本気で向き合いたい。その想いから、止まっていた自己理解の旅が再び動き出します。
本棚で眠っていた一冊の本、そしてChatGPTとの対話によって、自分の「好き・得意・大事なこと」を言葉にしていった過程とは?
次回は、自分の中にあった“本当にやりたいこと”が明確になったプロセスをお伝えします。
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